話のたねのテーブル

植物や虫、動物にまつわるコラムをお届けします。
No.98
薬草豆知識(その2) ドクダミ
執筆者:廣田伸七
2010年07月21日

梅雨どきから初夏にかけて、人家の周辺や溝などにドクダミの白い花がよく目立つ。
ドクダミは[ドクダミ科]の多年生草本で、白い地下茎が横にのびて旺盛に繁殖して群生する。全草に強い悪臭があり、茎は高さ15~30cmになる。葉は葉柄がありハート形。6~8月に茎の先に白い花のような花序を着ける。ドクダミのこの目立つ白い4枚の花弁のように見えるものは花弁ではなく植物用語では総苞である。実際の花はその上にある棒状の部分で、棒状の花茎周囲に花弁もガク片もなく、雌しべと雄しべだけからなる小さな花が密生している。白い総苞がよく目立つので昆虫が寄ってくるかと思うが集まって来ない。ドクダミは花粉が着かなくとも種子が出来る単為生殖(注1)をするのでその必要がないのかも知れない。
ドクダミは日本薬局法で薬用植物として収載されている薬草である。(注:日本薬局法の解説は No.96 ゲンノショウコ にあるので参照)
ドクダミは全草に独特な臭気があるので毒があるのではないかということから「毒溜め」といわれこれからドクダミと変化したという説と、毒をためらせ、抑制する意味で「毒矯(た)め」といわれ、また「毒痛め」で毒にも痛みにもよいことからドクダミと名付けられたという説もある。
ドクダミには精油(成分はテルペン系化合物、芳香族化合物など)が含まれていて、おでき、ただれ、水虫、靴ずれ、しらくもなどに効能があり、生の葉を新聞紙などに包んで火にあぶってやわらかくして、これを患部にあてると効果がある。また、茎葉を陰干しにしたものを1日量20gを煎じてお茶がわりに飲用すると高血圧や動脈硬化の予防・からだのむくみや便通にも効果がある。
方言名にジウヤク(十薬)というのがあるが、昔から中国では馬にドクダミを飲ませると十種の薬の効能があるので十薬というと伝わっている。

●採取時期と調整法及び使用法
ドクダミの花が咲いている夏の時期に全草を刈り取り、水洗いして陰干しにする。

(注1)単為生殖:有性生殖の一変形で卵が受精なしで単独に発生するもの。雌が雄との関係なしに新個体を生ずる現象、植物ではドクダミの他にはセイヨウタンポポも単為生殖をする。(大辞泉)

●ドクダミは、「日本原色雑草図鑑」81頁、「ミニ雑草図鑑」12頁、「形とくらしの雑草図鑑」48頁、「校庭の雑草」62頁に掲載

ドクダミ幼植物(葉はハート型)
ドクダミの花序(白いのが総苞)
ドクダミ花期
ドクダミの花、3個の白い柱頭をもつのが雌しべ、黄色のやくをつけるのが雄しべ、花弁もガク片もない