1993年発刊の「日本原色カメムシ図鑑」は、23科353種の日本産陸生カメムシを掲載したわが国初の総合的カメムシ図鑑として高評を博してきました。それから8年、研究者らの精力的な活動によって、カメムシの分類は長足の進歩をとげ、多くの新種が発見されると同時に分類の体系も見直されています。
とりわけカスミカメムシ科(旧メクラカメムシ科)はカメムシ目昆虫の中で最大のグループでありながら、8年前には81種が掲載されるにとどまっていました。本書では404種のカスミカメムシが明らかにされ、その食性についても、従来は草食性だと考えられていたものが、むしろ雑食性が基本で、中にはもっぱら肉食性が中心のものもいることが明らかにされました。これは、天敵としての大きな可能性を示唆しています。このような先端情報を満載してお届けするのが本書「日本原色カメムシ図鑑第2巻」です。
掲 載 種
カスミカメムシ科 404種
ハナカメムシ科 40種
フタガタカメムシ科 1種
トコジラミ科 2種
1.カメムシ類の分類体系
2.日本産の分類群の解説
フタガタカメムシ科 Microphysidae
カスミカメムシ(メクラカメムシ)科 Miridae
ダルマカメムシ亜科
オオメカスミカメ亜科 Psallopinae
キノコカスミカメ亜科 Cylapinae
アオナガカスミカメ亜科 Orthotylinae
チビカスミカメ亜科 Phylinae
シダカスミカメ亜科 Bryocorinae
ツヤカスミカメ亜科 Deraeocorinae
カスミカメムシ亜科 Mirinae
ハナカメムシ科 Anthocoridae
ハナカメムシ亜科 Anthocorinae
ズイムシハナカメムシ亜科 Lyctocorinae
ケブカハナカメムシ亜科 Lasiochilinae
トコジラミ科 Cimicidae
3.応用上重要なカスミカメムシ類
4.雄交尾器の解剖と観察法
文献
主な用語集