本の紹介

里山の植物生態学

加藤 順・林 一六/著

里山の植物生態学

加藤 順・林 一六/著
発行年月
2023年
定  価
2,000円+税
判  型
A5
ページ数
132ページ
I  S  B  N
978-4-88137-203-6

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生態学・エコロジーという用語や概念が今ほど一般的でなかった時代、「植物生態学-基礎と応用-」(2003年, 古今書院)を著し、長く植物生態学研究をリードしてきた林一六らによる最新の知見を集めました。里山の実態を生態学的に観察し理解するのに最適の一冊。
■どんな植物が群落を構成し、何が優占し、どう遷移していくのかを解説。
■里山にはどのくらいの量の木材があり、どのくらい成長するのかを数量的に把握。
■それによって年間、どのくらいの量の二酸化炭素を吸収するかを試算し、近年、地球規模で取り組まれている二酸化炭素の削減に里山がどのように貢献できるかを明らかにする。
1章 里山の植物群落
1節 群落の広がりと移り変わり
1.1.1 植物群落の分布
1.1.2 植物群落の遷移
2節 生態系としての里山

2章 アカマツ林、コナラ林、ミズナラ林の植生地理
1節 アカマツ林
2.1.1 アカマツ群落の種類組成と属組成
2.1.2 出現頻度上位9位までの属
2.1.3 数量分析
2節 コナラ属4種を優占種とする群落の組成
2.2.1 各種の温度環境と群落の分類
2.2.2 コナラとミズナラ群落の比較
2.2.3 コナラ属4種が優占種となる群落の属組成
2.2.4 アラカシ群落とシラカシ群落の比較
2.2.5 コナラ属落葉樹優占群落と常緑樹優占群落の属組成の比較
2.2.6 コナラ属4種が優占種となる群落の類似性への寄与する属

3章 アカマツ林の生態とミズナラ林への遷移 
1節 アカマツ林の生態的特性
3.1.1 自己間引き
3.1.2 胸高直径(DBH)の成長
3.1.3 個体群の直径階分布
3.1.4 樹高の推定
3.1.5 個体の枠内分散状態の経年変化
3.1.6 個体密度と直径の関係
3.1.7 枯死個体の直径
2節 アカマツ林の物質生産
3.2.1 幹の直径と地上部乾燥重量の関係
3.2.2 地上部と地下部の比率
3.2.3 リター量と枯死木の蓄積
3.2.4 アカマツ林の土壌呼吸
3節 アカマツ林の構造とミズナラの定着  
3.3.1 アカマツ林の群落組成
3.3.2 群落の階層構造
3.3.3 ミズナラの定着と成長 
3.3.4 ミズナラ幼樹個体群の生存率
3.3.5 ミズナラ幼樹の成長 
3.3.6 長野県野辺山におけるミズナラの成長

4章 アカマツ林伐採跡地の植生回復とコナラ林への遷移
1節 上田市付近のアカマツ林
4.1.1 舞田地籍のアカマツ伐採跡地
4.1.2 舞田地籍のアカマツ林伐採跡地のコナラ
4.1.3 舞田地域におけるコナラ若木の成長
4.1.4 コナラ若木の樹高-直径関係
2節 コナラ属(コナラ、ミズナラ)林の地上部現存量の比較
4.2.1 舞田、伊勢山、長野県野辺山の成林したコナラ属林地上部現存量

5章 コナラ林の生態系
1節 里山の成長量
5.1.1 上田市伊勢山地籍の例
5.1.2 群落現存量の測定方法
5.1.3 コナラ群落の一次生産:長野県上田市での事例
5.1.4 群落の現存量と増加量
5.1.5 群落の個体群構造
2節 里山の利用
5.2.1 里山から電気を
5.2.2 気温変動に対する里山の緩和効果
5.2.3 癒しの場としての里山
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